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傷病小分類の年齢別内訳:東京都在住者疾患急増項目(2011年「患者調査」)


この投稿は続報です。
既報はこちら
[東京都在住者の各種疾患急増(2011年「患者調査」)] http://snsout.blog.fc2.com/blog-entry-6.html
[東京都在住者疾患急増の小分類内訳(2011年「患者調査」)] http://snsout.blog.fc2.com/blog-entry-8.html
[年齢別内訳:東京都在住者疾患急増、高齢者で顕著(2011年「患者調査」)]http://snsout.blog.fc2.com/blog-entry-9.html

2011年「患者調査」で東京都の総患者数が急増した以下の項目について
年齢層別の動きを確認するためグラフを作成しました。
傷病小分類別のデータを使ったところ、
以前に作った基本分類の年齢層別グラフより明瞭な傾向が得られました。
情報のノイズが減ったということでしょう。
全体に高齢者の増加が目立つのですが、項目によっては45-54歳の中年層でも
顕著に増加しています(インスリン非依存性糖尿病、高脂血症、
脊椎障害(脊椎症を含む)、肩の傷害<損傷>)。
65歳以上の年齢層は色々な傷病が急増していますが、とくに元から患者数の多い本態性(原発性)高血圧(症)は前回調査(2008年)から32万人も増えています。これは東京都の65歳以上人口全体(260万人程度)の12%にあたりますからすごい増え方です。

複数の年齢層で同時に患者数が増加しており、増え方も急で大幅(数十%から百%程度となっている疾病・年齢層が多数ある)です。高齢化ではこの動きを説明できないでしょう。本来は患者数でなく罹患率データを使えばより明確になるはずですが。

傷病項目の選び方はまず基本文類(6期分)で急増した項目をとり出し、
さらにその小分類別内訳(4期分)で急増した項目をとり出します。
ここまではこれまでの投稿でやった作業です。
これを年齢別にグラフ化するに際しては
さらに患者数が数万人以上の項目に絞り込みました。
データが千人単位なので数十単位以上です。
年齢で十階層に分けるのでこれくらいの単位数は必要です。


基本分類IV 内分泌,栄養及び代謝

インスリン非依存性糖尿病_年齢層別_棒グラフ
高脂血症_年齢層別_棒グラフ

インスリン非依存性糖尿病は、45歳以上の各年齢層で急増が明らかです。
高脂血症も似た傾向ですが、55-64歳層だけはそれほどでもありません。


基本分類IX 循環器系

本態性(原発性)高血圧(症)_年齢層別_棒グラフ

本態性(原発性)高血圧(症)は65歳以上の各年齢層で急増が明らかです。


基本分類X 呼吸器系

その他の急性上気道感染症_年齢層別_棒グラフ

その他の急性上気道感染症についてはそれほど顕著な傾向はありませんが、どの年齢層でも前期(2008年)より高い値となっています。


基本分類XIII 筋骨格系及び結合組織

脊椎障害(脊椎症を含む)_年齢層別_棒グラフ
関節症_年齢層別_棒グラフ
肩の傷害<損傷>_年齢層別_棒グラフ

脊椎障害(脊椎症を含む)、関節症、肩の傷害<損傷>いずれも75歳以上の2つの年齢層で増加が顕著です。それほどではありませんが55-64歳と65-74歳の層も増えています。
また脊椎障害(脊椎症を含む)と関節症は45-54歳の層でも増加が顕著です。


基本分類XXI 健康状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用

歯の補てつ_年齢層別_棒グラフ
歯の補てつは75-84歳で増加が顕著です。それ以外に35-44歳、45-54歳、65-74歳も過去4期中最高となっています。

それ以外の検査・健診・管理_年齢層別_棒グラフ
検査・検診・管理は成人の各年齢層で増えていますが、とくに45-54歳の層でとても顕著です。理由は分かりません。

予防接種_年齢層別_棒グラフ
予防接種は未成年及び65歳以上で顕著に増加しています。インフルエンザの流行があったせいでしょうか。


(注) 2011年の前の調査は2008年なので、患者調査のデータからは疾病の増加が2009年から2011年の間のいつから始まったのかはわかりません。ただし、人間ドック検査項目別統計(年次データ)では2011年に各種指標が同時に悪化しています(http://snsout.blog.fc2.com/blog-entry-4.html おもに全国合計を分析)。


(詳報) 東京都在住者疾患急増の小分類内訳、2011年「患者調査」より


先日の続きです。
2011年「患者調査」で東京都の数値を確認したところ、各種疾病の総患者数が急増しています。
以前の投稿で傷病中分類別の内訳を調べました(http://snsout.blog.fc2.com/blog-entry-6.html)。
本稿では傷病小分類でさらに具体的な疾病名を確認します。
政府の統計Webサイトでデータが公開されている2002年から2011年までの値を比較しました(1996年と1999年は小分類別データ掲載なし)。

まずおさらいですが、急増した基本分類は以下の5項目です。1996年以降のデータ(3年間隔)で確認しました。

  IV 内分泌,栄養及び代謝疾患
  IX 循環器系の疾患
  X 呼吸器系の疾患
  XIII 筋骨格系及び結合組織の疾患
  XXI 健康状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用

これらの大分類項目それぞれについて小分類別の患者数推移を示します。これまでの分析と同様、2008年以前の平均値と標準偏差に基づき算出した2011年の標準化スコアが大きな疾病を確認していきます。平均値や標準偏差を計算するのに3期分のデータではかなり少ないので、5期分のデータで計算した中分類データでの結果などを参照しながら気をつけて使うようにしています。

   標準化スコア=(2011年の値-平均値[02年から08年])/標準偏差[02年から08年]

東京都在住の患者数推移 急増した基本分類4の内訳小分類(単位 千人)

IV 内分泌,栄養及び代謝疾患

 標準化スコアの大きな小分類項目:
  インスリン非依存性糖尿病、
  高脂血症。

いずれもとても高い値で、患者数は2008年以前と比べて概ね倍増しています。

東京都在住の患者数推移 急増した基本分類9の内訳小分類(単位 千人)

IX 循環器系の疾患
 標準化スコアの大きな小分類項目:
  本態性(原発性)高血圧(症)
  陳旧性心筋梗塞
  脳動脈硬化(症)
  不整脈及び伝導障害
  脳梗塞

前3者はとても大きな値です。患者数は圧倒的に本態性(原発性)高血圧(症)が多いです。それに比べて患者の絶対数は1ないし2桁少ないですが、陳旧性心筋梗塞と脳動脈硬化(症)も急増しています。脳動脈硬化(症)は千人単位ではゼロとなる年があって比較がむずかしいですが、それ以外の本態性(原発性)高血圧(症)と陳旧性心筋梗塞は2008年以前と比べて概ね患者数1.5倍増以上です。
それに対して標準化スコアはそれほど大きくないのですが、不整脈及び伝導障害、脳梗塞も増えています。ただしこの程度のスコアであれば逆に同じくらいマイナスになっている疾病がいくつもあります。

東京都在住の患者数推移 急増した基本分類10の内訳小分類(単位 千人)

X 呼吸器系の疾患
 標準化スコアの大きな小分類項目:
  その他の急性上気道感染症
  慢性閉塞性肺疾患
  喘息

前2者は大きな値で、2008年以前と比べて患者数概ね1.5倍増です。それほどではありませんが肺炎も増えています。

東京都在住の患者数推移 急増した基本分類13の内訳小分類(単位 千人)

XIII 筋骨格系及び結合組織の疾患
 標準化スコアの大きな小分類項目:
  乾燥症候群[シェーグレン症候群]
  その他の炎症性多発性関節障害
  関節症
  脊椎障害(脊椎症を含む)
  肩の傷害<損傷>

いずれも高い値です。シェーグレン症候群と、その他の炎症性多発性関節障害はいずれも絶対数はそれほど多くないですが患者数は2008年以前の2倍超です。
関節症、脊椎障害(脊椎症を含む)、肩の傷害<損傷>はいずれも患者数は概ね2008年以前の1.5倍以上です。前2者は患者数自体がかなりあります。

東京都在住の患者数推移 急増した基本分類21の内訳小分類(単位 千人)

XXI 健康状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用
 標準化スコアの大きな小分類項目:
  予防接種
  歯の補てつ
  それ以外の検査・健診・管理

いずれも高い値です。歯の補てつが患者数1.5倍増ということは歯の調子が悪かったのでしょう。他の2項目は必ずしも病気というわけではなさそうです。


(注) 2011年の前の調査は2008年なので、患者調査のデータからは疾病の増加が2009年から2011年の間のいつから始まったのかはわかりません。ただし、人間ドック検査項目別統計(年次データ)では2011年に各種指標が同時に悪化しています(http://snsout.blog.fc2.com/blog-entry-4.html おもに全国合計を分析)。

年齢別内訳:東京都在住者疾患急増、高齢者で顕著(2011年「患者調査」基本分類)


年齢別内訳 東京都在住者疾患急増(2011年「患者調査」)

この投稿は続報です。既報はこちら[東京都在住者の各種疾患急増(2011年「患者調査」)] http://snsout.blog.fc2.com/blog-entry-6.html、[東京都在住者疾患急増の小分類内訳(2011年「患者調査」)] http://snsout.blog.fc2.com/blog-entry-8.html

2011年「患者調査」で東京都の総患者数が急増した以下の項目について
年齢層別の動きを確認するためグラフを作成しました。

大分類IV 内分泌,栄養及び代謝
大分類IX 循環器系
大分類X 呼吸器系
大分類XIII 筋骨格系及び結合組織
大分類XIX 損傷,中毒及びその他の外因の影響
大分類XXI 健康状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用


その結果、2011年に増加の顕著な年齢層は以下のとおりです。(それ以前(1996~2008年)より明らかに値が高く、かつ前回調査までの上昇傾向では説明がつかないと思われるものを目視で選びました)。かなりの年齢差があることがわかります。

内分泌: 55歳から84歳
循環器系: 65歳以上
呼吸器系: 5~14歳と75歳以上
筋骨格・結合組織: 65歳から84歳
損傷・中毒その他: 5~14歳と85歳以上
保健サービス: 35歳から54歳と65歳以上

6項目のうち4項目は65歳以上層、2項目は5~14歳が該当。1項目のみ該当は35~44歳、45~54歳、55~64歳。
総じて65歳以上が顕著で、次いで5~14歳といったところです。
とくに65歳以上は患者数の多い循環器系、筋骨格・結合組織、内分泌でいずれも増加が顕著なため、全体の増加への影響はとても大きいと考えられます。

データは厚労省「患者調査」の総患者数(患者住所地)です。

以下、グラフです。

大分類Ⅳ内分泌 総患者数(患者住所地)東京都 年齢層別


大分類Ⅸ循環器系 総患者数(患者住所地)東京都 年齢層別


大分類Ⅹ呼吸器系 総患者数(患者住所地)東京都 年齢層別


大分類ⅩⅢ筋骨格・結合組織 総患者数(患者住所地)東京都 年齢層別


大分類ⅩⅨ損傷・中毒その他 総患者数(患者住所地)東京都 年齢層別


大分類ⅩⅩⅠ 保健サービス 総患者数(患者住所地)東京都 年齢層別


(注) 2011年の前の調査は2008年なので、患者調査のデータからは疾病の増加が2009年から2011年の間のいつから始まったのかはわかりません。ただし、人間ドック検査項目別統計(年次データ)では2011年に各種指標が同時に悪化しています(http://snsout.blog.fc2.com/blog-entry-4.html おもに全国合計を分析)。

東京都在住者疾患急増の小分類内訳(2011年「患者調査」)


2013/6/22追記: この投稿の内容は陳腐化しています。新しい分析の方をご覧ください(http://snsout.blog.fc2.com/blog-entry-10.html)。



この投稿は続報です。既報はこちら [東京都在住者の各種疾患急増(2011年「患者調査」)] http://snsout.blog.fc2.com/blog-entry-6.html

2011年「患者調査」で東京都の総患者数が急増しています。
とりあえず2011年と2008年の2年分だけですが小分類内訳を確認しました。
急増した基本分類(4,9,10,13,21)のうち増加寄与の大きな項目(1万人以上増加)は以下のとおりです。

IV 内分泌,栄養及び代謝疾患
 インスリン非依存性糖尿病
 高脂血症

IX 循環器系の疾患
 本態性(原発性)高血圧(症)

X 呼吸器系の疾患
 その他の急性上気道感染症
 慢性閉塞性肺疾患
 喘息

XIII 筋骨格系及び結合組織の疾患
 その他の炎症性多発性関節障害
 関節症
 乾燥症候群[シェーグレン症候群]
 脊椎障害(脊椎症を含む)
 椎間板障害
 肩の傷害<損傷>

XXI 健康状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用
 それ以外の検査・健診・管理
 予防接種
 歯の補てつ
 その他の保健サービス


患者調査(東京都在住総患者数)2011年急増疾患の内訳(疾病小分類)10,13,21

患者調査(東京都在住総患者数)2011年急増疾患の内訳(疾病小分類)4,9


(注) 2011年の前の調査は2008年なので、患者調査のデータからは疾病の増加が2009年から2011年の間のいつから始まったのかはわかりません。ただし、人間ドック検査項目別統計(年次データ)では2011年に各種指標が同時に悪化しています(http://snsout.blog.fc2.com/blog-entry-4.html おもに全国合計を分析)。

『調査報告 チェルノブイリ被害の全貌』の健康データ


 本書を紹介した投稿はこちら(http://snsout.blog.fc2.com/blog-entry-5.html)。チェルノブイリ事故の影響について包括的に大量の情報が盛り込まれています。特に健康への影響が真っ先に気になります。

 中でも一番目を引いたデータはこれ(「北ウクライナの汚染地域における子供の健康状況」、40頁)です。子どもの健康状態はチェルノブイリ事故の3年後から急速に悪化しました。86年に子どもの1割未満だった「第3度」以上が、91年には過半に増加したのです。このデータでは第1度が健康で度数が上がるにつれ健康状態が悪く、最悪は第4度です。
 「汚染地域」と健康状態(「第2度」「第3度」「第4度」)の定義が分からないので詳しいことは不明だという限界はあるのですが、ある程度汚染された地域で大多数の子供の健康が損なわれたことは分かります。また1991年には健康な子供が2割に減りました。これは各種メディアで伝えられた値と一致しています。

ウクライナの汚染地域における子供の健康状況(%)


 もう一つは「北ウクライナに住む成人および15-17歳の少年少女における1987年から1992年にかけての疾患発生率」(134頁)です。数値そのものは入手済みでしたが、本書によって、これが「成人および15-17歳の少年少女」のデータであることが分かりました。
 各種疾患の発生率がチェルノブイリ事故の後に1桁ないし2桁上昇し、1992年における循環器、筋肉と骨、消化器、皮膚および皮下組織に関わる疾患の発症率が60%から98%と大変高いことがわかります。
 これらのデータはIPPNW[2012]『チェルノブイリ原発事故がもたらしたこれだけの人体被害: 科学的データは何を示している』に掲載された「チェルノブイリ原発事故で被災した北ウクライナ住民にあらわれた精神、神経、身体の疾患」(グラフ http://snsout.blog.fc2.com/blog-entry-3.html)と同じもののようです(値が一致)。本書はIPPNW[2012]にある1988年と1990年の数値を欠いています。一方でIPPNW[2012]は調査対象の属性を掲載していないという問題がありました。

北ウクライナ1987-1992年の疾患発生率(7種類)

 また、『調査報告 チェルノブイリ被害の全貌』134頁に「ゴメリ州(ベラルーシ)に住む15-17歳の少年少女における疾患発生率」が掲載されています。これはIPPNW[2012]86頁に掲載された表「ゴメリ地域(ベラルーシ)の小児の疾病発症率」と全く同じデータです。これも本書によって小児の具体的な年齢(15-17歳)がわかりました。

 こうした汚染地域住民の健康状態は事故直後に原発で緊急作業に従事した人々(リクヴィダートル)より悪いのではないかとのコメントがあります(135頁)。
 緊急作業従事者のデータもそのうちに掲載できればと思っています。


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